2009年 10月 20日
祈り |
以前にも紹介した事があるイダヘンデルさんが奏でる”祈り”という曲です。
イダヘンデルという人すべてがバイオリンのようで、彼女の言葉、感情そのものが音色になって訴えてくるような力強い響きです。
そこに居合わせた人達の思いを代表して、泣き、慰め、癒しているよう。
先日息子と二人、イダヘンデルさんの演奏を聴きに出かけました。
想像していたよりも、小柄で細い方でした。お歳は72歳。息子が一番楽しみにしていたサラサーテのツイゴネルワイゼンという曲を弾く姿は勇敢な騎士のようでした。
上の”祈り”の曲でも彼女の息つかいが聴こえてきますが、毎回深く息を吸ってからフレーズを弾く様子がとても人間的で、息使いとバイオリンから出る声が混ざり合って哀愁ある詩になっているような感じでした。
木の年輪のように深みのある音色に心も体も包まれて、アンコールの最後の曲が終わってバイオリンを胸の前に持ち、少し前かがみにゆっくりと歩きながら舞台のそでに去って行く小さな後ろ姿を見てなぜか胸がはりさけそうでした。
演奏後、感動を伝えたかったので勇気を出して話しかけました。
すると”ありがとう”とおっしゃって、私と息子を見て”あなた達は姉弟?”と言ってウインクを。
そして息子に”あなたもバイオリンを弾いてるの?”と聞かれて、息子が”ぼくはチェロをやっています”と言うと、”チェロはバイオリンの大きなお兄さんね、練習がんばりなさい”と言ってくれました。
”お母さん、72歳であんなに力強くて、ほんとにほんとにすごいね”、と息子。
素敵な彼女からたくさんのパワーをもらいました。。。。
by pearblossom
| 2009-10-20 11:59
| 音楽